抗菌薬を処方された患児及びご家族の方へ
抗菌薬を処方された患児及びご家族の方へ
「初期急病センターでの小児抗菌薬適正使用に係る有効な方法を検証するための研究」について
はじめに
神戸こども初期急病センターでは、医師に対する毎月発行するニュースレター(AMRニュース)によって抗菌薬処方にどのような変化をもたらしたのかについての臨床研究を実施しております。内容については下記の通りとなっております。この案内をお読みになり、ご自身もしくはご家族が下記の対象者にあたると思われる方で、ご質問等ございましたら、最後に記載しております問い合わせ窓口までご連絡ください。
1.研究概要および利用目的
薬剤耐性(AMR)菌が世界的な問題になる中、2016年に我が国においてAMR対策アクションプランが発表されました。これは、耐性菌問題に関して我が国が進むべき方向性と果たすべき責任を明確に宣言したものであり、成果目標として抗菌薬の使用量を減少させることが盛り込まれています。
そこで、AMR対策として当センターと兵庫県立こども病院の医師、薬剤師でチームを作り、2018年11月より医師に対するニュースレター(AMRニュース)を毎月発行、掲示することにしました。ニュースレターの内容は、前月の抗菌薬処方件数、各抗菌薬の処方割合、厚生労働省作成の「抗微生物適正使用の手引き」に基づく抗菌薬不必要処方の割合についてまとめた月報です。
ニュースレターを毎月発行、掲示を2019年9月まで1年間行いましたが、その結果、各抗菌薬の処方割合および抗菌薬不必要処方の割合に変化が生じたのかをカルテからデータを収集し、調査、解析をします。
医師に対するニュースレターの発行、掲示により、抗菌薬の不必要処方を減少することができていれば、今後、抗菌薬適正使用を推進するための一つの方法として全国に普及していく一助となることが期待されています。
2.研究期間
この研究は、倫理委員会承認日(2019年12月17日)より2021年3月31日まで行う予定です。
3.対象となる方
2017年10月1日から2019年9月30日の間に当センターにおいて、以下の抗菌薬を処方された患児
<抗菌薬>
セフジトレンピボキシル(メイアクト®)、クラリスロマイシン(クラリシッド®)、
アモキシシリン(ワイドシリン®、パセトシン®)、トスフロキサシン(オゼックス®)、
ホスホマイシン(ホスミシン®)
4.利用する診療情報
カルテ病名、処方抗菌薬名
5.個人情報の取り扱い
診療情報について個人の特定ができないように匿名化し集計、解析を行い、患児の個人情報は厳重に管理し、患児およびご家族に不利益が生じないよう配慮しています。学会や学術雑誌等で公表する際には、個人が特定できないような形で使用いたします。
6.研究へのデータ提供による利益・不利益
利益・・・本研究にデータをご提供いただくことで生じる個人の利益は特にありませんが、今後、抗菌薬の適正使用が推進されることにより抗菌薬の耐性化を防ぐことに役立つと考えられます。
不利益・・・カルテからのデータ収集のみであるため、特にありません。
7.研究へのデータ使用の取りやめについて
いつでも可能です。取りやめを希望されたからといって、何ら不利益を受けることはありませんので、データを本研究に用いられたくない場合には、下記の問い合わせ窓口までご連絡ください。取りやめの希望を受けた場合、それ以降、患児のデータを本研究に用いることはありません。しかしながら、同意を取り消したとき、すでに研究成果が論文などで公表されていた場合には、結果を破棄できない場合もあります。
研究責任者
兵庫県立こども病院 宍戸亜由美
共同研究担当者
神戸こども初期急病センター 木村誠
兵庫県立こども病院 笠井正志
国立成育医療研究センター 宮入烈
問い合わせ窓口
神戸こども初期急病センター 総務課
TEL(078)862-6075